■人形劇団京芸
人形劇団京芸は、歴史と伝統・芸術・文化の街=京都で生まれ、京都を活動の拠点として、日本全国で上演する《人形劇公演》を大きな柱として活動をしています。
広島では、2002年9月に『漫才の星になるんや』2003年7月に『ちいさくなったパパ』を例会として上演しています。
●●● 生の舞台だからこそ ●●●
映画や漫画では感動したとしても、“体感する”ということがありません。しかし生の舞台は、その場にいる子どもや大人、みんなが同じ時間・空間を共有することによって生まれる一体感も含めて、肌で感じる物語です。ダイナミックな潜水艦の動き、満天の星空をぜひ“体感”してください。
電子音が溢れている昨今ですが、本作のBGMはヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・ホルン・クラリネット・トランペット・ピアノ・ドラムの8人編成で演奏しました。楽器で奏でた本物の音楽をお聴きください。
(潜水海賊キャプテン・グックパンフレットより)
■「こんなことって、ありえない!!」
でも「あったら何だかステキだな!」
小学5年生の杏子ちゃんが、潜水艦の中で海賊達と過ごすという一見あり得ない世界。そこにいる海賊達は、一人一人とても個性的で頑固で自分勝手。閉塞された空間の中でハチャメチャナ彼らと彼女の葛藤が繰り広げられます。見ている子どもたちは、そこで繰り広げられる彼らのバトルに笑い転げ、非難声を上げ、杏子ちゃんを応援しと、非日常の世界を思う存分楽しんでいました。では、大人の私たちは・・・。
子どもと向き合うって難しいなあと日々感じていませんか?うまく付き合おうと思うほど、思い通りになっていかない現実。でもここの大人たちは、子どもに迎合することも、媚びることもなく自分を素直にさらけ出し、子どもだからって容赦しないんです。本気で怒り、向かっていきます。とことんやり合う、この関係からいつしかお互いを認め合っていく展開を追いながら、人と人が関って生きることの本質に気づかされます。そして、自分らしさをもち続けながら共に生きることは大変だけど、それを一段超えたときの何ともいえないうれしさを舞台の人形達と一緒に感じられる、そんな作品です。奥行のある舞台、ユニークな表情の人形達、これでもか!というほど盛りだくさんに出てくる小道具、人形劇ならではの夢のある舞台です。ぜひ子どもたちと一緒になって大声を上げて笑い、ちょっぴりしんみりする時間を過ごしてみてください。
(子どもコミュニティネットひろしま 代表理事 小笠原由季恵)
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■原作本 紹介
創作児童文学館
『潜水海賊キャプテン・グック』
斉藤洋/作 飯野和好/絵
ISBN 4-265-06002-1
判型 A5 181頁 1994年
定価1,325円(本体1,262円+税)
小学校高学年から 読み物
●あらすじ (原作本 表紙裏より)
がめつい貸しボート屋を困らせようと、夜の海にボートを出したぼくは、だんだん荒れてきた海の上で途方にくれていた。そこへ通りかかったのがキャプテン・グックの潜水艦。海でおぼれ死なずにすんだけど、なんだかわけがわからないまま、ぼくは潜水海賊につかまってしまった。ぼくのめんどうをみてくれる料理人で、くさかりがまをもつバイケンさんや、ハーモニカが上手なスパン・スポンさん、桜ふぶきのいれずみをした銀さん、いつも酔っているヘンデル・バッハ博士など、海賊はおかしな人ばかり・・・。
●斉藤洋プロフィール
1952年東京生まれ。86年度講談社児童文学新人賞受賞作「ルドルフとイッパイアッテナ」でデビュー。「うとうとまんぼう」など作品は多数。
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